大阪の駅ビルの前で、外国人カップルに声をかけられた。
「お?道に迷ってるのかな?」
スマホを見ながら二人は近づいてきた。これは日本のホスピタリティを見せつけるチャンス!!
と、謎の使命感に駆られたぼくは、調子に乗ってこう聞いた。
ぼく「What do you want from me?」
「何かわたしにして欲しいことはありますか?」のつもりで発した。
もしかしたらこの場面で適切な英語ではなかったかもしれない。
だがその時のぼくは、自分の流暢さにどうだ!と言わんばかりに酔いしれていた。
しかし、その一言が災いした。
👨👩「Oh! You speak English!」(みたいなこと)
カップルの目が輝いた。そこから、まるでマシンガンのごとく、本気のネイティブ英語が飛び交い始めた。
いや、ちょっと待て。
ぼくができるのは「Hello」と「Thank you」、そして「I have a pen.」くらいだ。あとは映画『タイタニック』の「I’m the king of the world!」くらいなら言えるけど、今はそんな状況ではない。
ぼく「あー、ちょっと待って!! I… I can’t… speak… English…ごめん。」
なんとか伝えようとするが、彼らの失望した表情は隠せない。
👨👩「(なんやこいつ、素人か…)」
そんな空気を察した。だが、ぼくにも意地がある。
せっかく道を聞かれたんだ。なんとかして助けてあげたい!
身振り手振り、カタコトの英語、日本語とのミックスで、何とか彼らの目的地を把握した。
「Hankyu Umeda!」
聞き取れた。どうやら、阪急梅田駅に行きたいらしい。ぼくにとっては馴染みのある場所だ。
ならば、途中まで案内しよう。
カップルは「Oh! Thank you!」と笑顔でついてきた。ここからはもう言葉は不要。道を示すだけでいい。
少し歩くと、ようやく目的地が見えてきた。安堵の表情を浮かべるカップル。ぼくは心の中でガッツポーズを決めた。
最後にぼくは、
「言葉が通じなくても、心で通じ合えたね♪」(ドヤ)
と日本語と大げさなジェスチャーで熱弁したが
カップルは「???」という表情。首をかしげながら、ぎこちない笑顔を返してくれた。
…全然通じ合えてなかったね笑
でも、いいんだ。お互い「Thank you」は伝わったよね(*’▽’)

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