恩返しは、巡り巡って返せばいい。

日常

「いつか恩返ししたいと思ってます」って、誰かに言ったことありませんか?
あるいは、言われたこと。

ぼくはあります。たぶん何度も。
でも最近は、「恩返しって、別にその人に直接返さなくてもいいよな」と思うようになりました。

もちろん、できれば本人に返したい。
でも、人生って意外とそううまくはいかなくて。
恩をくれた人とはもう会えなかったり、タイミングが合わなかったり。
で、「返せなかった…」って、ちょっと後悔したりする。

でもね、恩って、巡り巡って誰かに返していけばいいものなんじゃないかなって、今は思ってます。


恩返しって、義務じゃない。

まず、前提として言いたいのは、恩返しって「義務」じゃないってこと。
「あのとき助けてもらったから、今すぐ何か返さなきゃ!」みたいな焦りは、たぶん相手も望んでない。

だいたい、恩をくれる人って、見返りを期待してないんですよね。
「こっちは困ってるのを見たから、助けただけだよ」って顔してる。

それを、こちらが勝手に“借り”だと思って、「いつか返さなきゃ…」とプレッシャーを感じてしまう。
でも、恩返しってもっとゆるくていい。
感謝の気持ちを覚えておくこと。タイミングが来たら、できる誰かに返すこと。
それだけで十分だと思う。


恩をくれた人が、目の前にいないこともある。

ぼくにも、今の自分を作ってくれた人がたくさんいます。
でも、その中にはもう会えない人もいます。
引っ越してしまった人もいれば、すっかり疎遠になった人も、時には天国に行ってしまった人も。

そういうとき、感謝の気持ちだけが、胸の中にふわっと残るんですよね。
で、その気持ちが、不思議と行動の原動力になったりする。

たとえば、自分が困ってるときに誰かに助けられた経験があると、
同じように困ってる人を見たときに、無意識に手を差し伸べてしまう。
「昔、自分もこうしてもらったから」って思い出すから。

直接じゃないけど、それは恩を、次の誰かに受け渡してるような気がするんです。


巡るって、すごく自然なこと。

人からもらった優しさを、別の誰かに返すこと。
これって、例えるなら「ぬくもりの伝言ゲーム」みたいなものかもしれない。
ぬくもりを、次の誰かに渡していく感じ。

たとえば、昔バイト先で理不尽なクレームに泣きそうになってたとき、
先輩が何も言わずに「外の空気吸ってきな」って肩をポンと叩いてくれた。

そのときの救われた気持ちは、今でもぼくの中に残ってる。
で、今ぼくが誰かに「ちょっと休憩してきなよ」って声をかけるとき、
実はあの先輩の言葉が、生きてたりする。

恩って、たぶんそうやって、人から人へ、無意識に繋がっていく。
直接返せなくても、ちゃんと巡ってる。


恩返しの形に【正解】はない。

よく、「恩返ししなきゃって思うけど、何をすればいいかわからない」って声を聞く。
ぼくもそう思ったことある。

でも、感謝の気持ちに正解の形なんてないと思う。
ちょっとしたメッセージでもいいし、差し入れでもいいし、
直接じゃなくても、「自分が元気で頑張ること」だって立派な恩返し。

昔、お世話になった先生に「あなたが元気でいてくれるのが、いちばんの恩返しですよ」と言われたとき、
めちゃくちゃ救われたんですよね。

「あ、そんなことでいいんだ」って。

それからは、背伸びせず、自分にできる形で、
「誰かを少し楽にする」ことを意識するようになりました。


恩返しは、タイミングも人も【流れ】に任せていい。

人間関係って不思議で、予想外のところから巡ってくることがある。

ぼくが昔、何気なく親切にした後輩が、何年か経って仕事で大事なチャンスをくれたり。
逆に、自分が困ってたときに、全然接点のなかった人が助けてくれたり。

そのとき思ったんです。
「恩って、返ってくるときは、思ってもなかった形で返ってくるんだな」って。

だから、無理に直接返そうとしなくていい。
タイミングも、相手も、たぶん「ご縁」が決めてくれる。


まとめ:恩返しは、バトンでいい。

誰かにしてもらったこと。
自分を助けてくれたこと。
今の自分を作ってくれた出会いや、言葉や、出来事。

それら全部に、完璧に恩返しするのは無理です。
でも、それでいいんです。

その代わり、ぼくは誰かに優しくされた分、
今度は別の誰かに、同じような優しさを渡したいと思ってる。

そうやって、受け取ったバトンを、次へと渡していく。
その循環の中に、自分がいるだけで、たぶん十分なんだと思う。

だから今日も、できるときに、できる人に、できることを。
それだけで、きっとどこかで、誰かの心がちょっとあったかくなる。
そしていつか、思ってもみなかった形で、自分にも何かが返ってくる。

恩返しって、そういうものだと思ってます。

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