朝からスマホの通知に追われて
部屋を片付けようとしても途中で他のことが気になって
気づけば洗濯物も干しっぱなし
返信も未読のまま。
「なにやってんだ、わたし」
そう思って自己嫌悪に浸りなが
ふと口からこぼれたひと言があった。
「ちゃんとしなきゃ……」
この「ちゃんとしなきゃ」って言葉
聞こえは真面目で立派だけど
ときに自分を一番苦しめる呪文だったりする。
今日はそんな「ちゃんとしなきゃ」が苦しくなる日の話を
ぼくなりに綴ってみようと思う。
「ちゃんと」の正体は、だいたい「誰かの目」。
「ちゃんとした大人」
「ちゃんとした恋愛」
「ちゃんとした返信速度」
その「ちゃんと」は
誰が決めたものなんだろう?
ほとんどの場合、
それは「自分の中にある他人の目」だ。
誰かに変に思われたくない。
誰かに期待されたい。
誰かにちゃんと見てもらいたい。
それってつまり
「自分の心より、他人の反応を優先してる」
状態でもある。
気づけば「ちゃんと」の枠に収まるために
本当の自分のリズムや体調や感情を
置き去りにしてしまってる。
とくにSNSの時代。「ちゃんとした投稿」や「ちゃんとした幸せ」を見ていると
「自分もああでなきゃいけないのかな」
と思ってしまう。
でも、その人の「ちゃんと」は
その人の人生でしか通用しない。
あなたの「ちゃんと」は、あなたが決めていい。
「ちゃんと」してるのに、満たされないのはなぜ?
仕事して、挨拶して、家事して、返信して
やるべきことをひと通りこなしても
心の中には「足りてない感じ」が残る。
それはたぶん「ちゃんと」の基準が
自分の外側にあるからだと思う。
誰かの期待通りに動いて、
誰かのルールで一日を過ごして、 夜になってふと
「……で、わたしの気持ちは?」ってなる。
それって、お弁当の中におかずがぎっしり詰まっているのに
どれも「自分の好きなもの」
じゃなかったみたいな感じに近い。
見た目はちゃんとしてる。
でも、なんか満たされない。
「ちゃんと」って実はとても厄介な言葉だ。
頑張れば頑張るほど、自分が置いてけぼりになる。
「ちゃんとしない日」があってもいい。
洗濯物、明日でいい。 返信、夜でいい。
夜ごはん、カップ麺でもいい。
誰にも見られていない場所で
少しだけ自分にやさしくする時間を持つ。
それって、自分を甘やかしてるんじゃなくて
自分を「許してる」ということだ。
人間って、毎日フルパワーじゃ生きていけない。
心も体も、休むことが前提でできている。
だから、力が抜けた日もあっていい。
何にもなさない時間が
実は一番「人間っぽい」時間なのかもしれない。
心がギュッと縮こまったときは
「ちゃんとしなくていい日」を自分に許してあげる。
それだけで、 不思議なくらい呼吸がしやすくなる。
できなかったことじゃなくて、「やれたこと」を見てあげて。
人は、「まだやってないこと」に意識が向きやすい。
でもその日ちゃんと起きたこと、 ごはんを食べたこと
一回でも笑えたこと、
それだけでもう十分だったりする。
「ちゃんとした結果」よりも
「ちゃんと生きた過程」を見てあげよう。
朝からだるかったけど出かける準備をした。
電車でうまく座れた。
帰り道におにぎりを買って、それがおいしかった。
それって、すごいことだ。
ぼくは最近
「今日うまくいったことを3つだけ書く」
っていうのを寝る前にしている。
小さな達成をちゃんと自分に見せてあげる。
それが、自分への信頼を少しずつ取り戻してくれる気がしてる。
「何もできなかった日」なんて実は存在しない。
ただ、ちゃんと見えていないだけだ。
「ゆるめること」は、負けじゃない。
ちゃんとできなかった日。
気力が湧かなかった日。
うまく笑えなかった日。
そういう日を、
自分は「負けた日」だと思ってしまいがちだけど
本当は「休むことができた日」なのかもしれない。
疲れてるのに走り続けてバテるよりも、
一回立ち止まって深呼吸できた人のほうが
長く、まっすぐ、前を向ける。
自分を休ませるって勇気がいることだ。
でも、それができる人は本当はとても強い人だ。
最後に:「ちゃんと」じゃなく、「今の自分」を受け取って。
真面目に生きようとする人ほど、
「ちゃんと」に縛られて
しんどくなる。
でも、本当に大事なのは
「今のあなた」がどんな気持ちで生きてるか
だと思う。
どんな日でも、あなたは今日をちゃんと生きてる。
それだけですごいことだと思う。
心が疲れた日は
「今日、ちょっとだけでもがんばった自分」
って、 やさしく声をかけてあげてほしい。
そして夜眠る前にこう言ってあげよう。
「今日も、生きてえらい」って。
ちゃんとできてない日も
何もしてない日も
ちゃんと「人間してる」ってことだから。
それって、ほんとうに十分なんだ。
明日もきっと、がんばりすぎず
「ゆるくて、でも自分らしい一日」が、あなたを待っている。