「セフレでもいい」と思っていた。でも、本当は好きになってた

恋愛コラム

会いたいって言えば、会える。 夜になれば、肌を重ねる。
でも、朝になれば、また他人に戻る。

連絡は、用があるときだけ。
予定はこっちじゃなくて、あっち優先。
話すことはあるけど、深くは踏み込まない。

そんな関係の中で、 気づけばぼくは
「この人のことが好きなんだ」
って思ってしまっていた。

今日はそんな「セフレなのに、好きになってしまった」人の心に、
そっと寄り添うような言葉を綴ってみたい。


最初は「割り切れる」と思っていた。

付き合うわけじゃない。
束縛もないし、干渉もない。

会いたいときにだけ会えて、
お互いの欲を満たせて、
面倒なことは何もない。

それって大人の関係だし
むしろ都合がいいくらいじゃないか──

そう思っていたはずだった。

でも、「もうちょっと一緒にいたいな」とか
「次はいつ会えるのかな」とか、

心の中に「好き」の種みたいなものが芽を出し始めていた。


好きになってはいけない、と思うたびに、余計に気持ちが育っていく。

「この関係に期待しちゃダメ」
「求めすぎたら壊れる」
「割り切れないならやめた方がいい」

そんな言葉を、自分に何度も言い聞かせる。

だけど、 会えば嬉しい。
連絡がくればホッとする。
バイバイしたあとに、少しだけさみしくなる。

それが続いていくうちに、
自分の中で「好き」のボリュームだけが、
どんどん大きくなっていった。

止めようとするほど、
気持ちは増えてしまう。

それが、 この恋のいちばん苦しいところだ。


「この人は私をどう思ってるんだろう?」が、いつも答えのないまま残る。

ちゃんと付き合ってるわけじゃない。
でも、まったくどうでもいいわけでもない──

そうやって曖昧なところに立たされると、
いつも心のどこかが落ち着かない。

本音を聞くのがこわくて、
関係を壊すのがこわくて、
ずっと「相手の気持ち」を推測しながら、
自分の立ち位置を探ってしまう。

優しくされたら、希望を持って、
冷たくされたら、勝手に傷ついて。

恋愛の形をしていない関係なのに、
心だけはちゃんと「恋」をしてるから
どんどん苦しくなる。


「身体の関係=心もつながる」わけじゃない、ってわかってる。

好きだから、 一緒にいられるだけで嬉しい。
求められることで、愛されてるような気がしてくる。

でも、 ベッドの中で交わす言葉は
朝になるともう現実味がなくなる。

どんなに近づいても、 心までは入れてもらえないような
そんな壁の存在を感じてしまう。

自分のことを、 都合のいい相手にしてしまってるのは
もしかしたら──自分自身かもしれない。


「いつか振り向いてくれるかも」と思いたい夜もある。

ちゃんと好きになってもらえたら。
ちゃんと恋人になれたら。

そう思って「そばにい続ける」ことを選んでしまう。

だって、 今さら「もう会わない」なんて言えないし。
会えない方が、もっと苦しい気がするし。

でも、 そんなふうに「期待と我慢」をくり返していると、
だんだん自分の心が削れていく。

恋って、 こんなに悲しくなるものだったっけ?


もしあなたが本当に「愛されたい」なら、見てほしいことがある。

あなたは今、
「誰かに大切にされてる」って思えてる?

あなたの「好き」は、
ちゃんと「尊重」されてる?

それとも、ただの寂しさを埋める手段になっていない?

人はね、 誰かに抱きしめられたときに
「あたたかさ」を感じられないなら、
それは心がつながっていない証拠だと思うんだ。

どんなに惹かれていても、「愛されている安心感」がない関係は、
あなたの魅力をすり減らしてしまう。


最後に:好きになってしまったこと自体は、悪くない。

恋って、理屈じゃない。

どんな形の関係でも、
誰かを本気で好きになった気持ちは、
それだけでちゃんと尊い。

だから「こんな関係なのに好きになっちゃって、自分ダメだな」
なんて、責めなくていい。

あなたがしたかったのは、
ただ誰かとつながること。
ただ誰かに、大事にされたかっただけ。

その願いは、まったく間違ってなんかない。

でも、 あなたの心がすり減っていくような関係は、
きっと、あなたを幸せにするためのものじゃない。

恋に傷ついたあなたが、
ちゃんと愛される日が来るように。

ぼくは、 あなたが自分の心にやさしくなれることを心から願っています。

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